
トラブルQ&A (国土交通省東北運輸局より抜粋)
■ 電話での見積もりと請求額が違う
Q: 二日後に突然引越を行わなければならなくなり、下見を行った上で見積もりをする時間的余裕がなかったため、電話で10万円と見積もってもらいましたが、、荷物受取時の請求額は13万円でした。
A: 事業者は、約款に基づいて引越運送を行う場合には、しっかりとした見積もりを行った上で、見積書を発行しなければならないこととなっています。 この見積もりの義務付けは、利用者保護に役立つばかりでなく事業者にとっても見積額の拘束性との兼ね合いから、しっかりとした見積もりを行っておかなければ、後で所要運賃額が見積額を上回ることがわかっても請求できないこととなっているからです。お客様が電話で説明した条件(荷物の量、荷造り作業の責任範囲など)通りであった場合、お客様は約束した運賃以外の費用を支払う必要はありません。
ただし、お客様の都合によって電話で話した条件と実際の条件が異なっていた場合は、事業者から付帯料金を請求されることとなります。
Q: ペットも一緒に運送してもらおうとしましたが、引越業者は受け付けてくれませんでした。
A: 標準引越約款第4条第2項では、@現金、有価証券、宝石貴金属、預金通帳、キャッシュカード印鑑等荷送人において携帯することのできる貴重品、A火薬類その他危険品、不潔な物品等他の荷物に損害を及ぼす恐れのあるもの、B動植物、ピアノ、美術品、骨董品等運送にあたって特殊な管理を要するため、他の荷物と同様に運送することに適さないもの等については、引越運送としての引受を拒絶することができることとなっています。ペットについても、引越業者は、引越運送として他の荷物とともに運送することを拒絶することができます
ただし、約款上は断ることのできる荷物でも、引越業者が特約として運送を引き受ける場合もあります。この場合でも運送条件や運賃をきちんと確認することが大切です。
Q: 転勤日が急遽1週間遅れることとなったために、引越日の前日に引越日を1週間遅らせたら、キャンセル料を請求されましたが、支払わなければならないのでしょうか。
A: 引越日を変更されると、各日ごとに業務予定を組んでいる事業者にとっては、リスクを負うこととなりますが、運送日の変更は、いわゆる解約ではなく、運送契約変更にすぎません。従ってこの場合、事業者は解約手数料(キャンセル料)をとることは出来ません。
なお、本ケースで事業者が見積書に記載した荷物の受取日の2日前までに、申込者に対して、見積書の記載内容の変更の有無等について確認をした場合、キャンセル料は無料ですが、延期手数料を請求されることがあります。
Q: 引越をしたが、見積書の内容と異なり、作業員が一人少なかったため、積み込み作業も遅れてしまいました。この場合値引きはして貰えますか。
A: 見積書は、契約書ではありませんが、契約の準備書面として、重要なものです。利用者は、見積書の内容を見た上で、事業者を選択しますから、契約が成立した後は契約内容を示す重要な書面として位置づけられています。従って、見積書の内容より劣るサービス内容であった場合は、債務不履行であり、作業員が一人少なくなった分の作業員料の値引き請求ができるとともに、このために生じた損害(本ケースの場合は、積み込み作業が遅れたために生じた損害)を、事業者は賠償しなければなりません。
Q: 引越前の見積では10万円であったが、引越当日、エアコンの取り外し作業、不要品の引き取り等の作業を依頼したため、もう一台車両を追加しなければならなくなりました。見積額を上回って請求されましたが、やはり払わなければならないでしょうか。
A: エアコンの取り外し作業、不要品の引き取り等の作業を引越当日になって依頼するのは、利用者側の事情によるものであり、当該作業にかかる付帯サービス料については、請求されることとなります。
車両の追加についても、利用者の都合でトラックが必要となったわけですから、追加料金についても請求されることとなります。このようなこととならないよう、持っていくものと不要品を明確にし、依頼する作業についても引越業者とよく打ち合わせしておくことが必要です。
Q: 引越し後、4ヶ月経ってから家具に傷が付いていたため引越業者に損害賠償請求をしたが、取り合ってくれません。
A: 約款では、荷物の一部の滅失またはき損が生じた場合、荷物の引き渡した日から3ヶ月以内に事業者に対して通知をしないと、事業者の責任は消滅することとなってます。ただし、事業者自身が荷物の紛失や破損の事実を認めている場合は、この限りではありません。
したがいまして、引越が終わったら、できるだけ早く梱包を解き荷物の状態を確認しておくことが大切です。
